「東武王国−小説 根津嘉一郎」若山三郎

東武というのはまあ関東人なら誰でも知っているというか、「なんか23区から見て右上」にごちゃっと存在しているというところまで含めて全国的に知られているような気がするのですが、あくまでその創設者ではなく、初期の頃の建て直しに参加して以降、次代(お父さんの嘉一郎氏が亡くなったのちに改名して二代目・嘉一郎氏に)まで含めて東武鉄道に関わり続けたという根津嘉一郎氏の本で。
大雑把にぶっちゃけてあんまり東武鉄道出てこないです。いやマジで。
とりあえず、初期から貧乏鉄道って呼ばれてたんだね! というのは正直初めて聞いたんですがなんとなく薄っすら納得出来ないでもないというか、根津さんの人生が気付いたらボロ会社の建て直しに関わってるような建て直しの連続なもので、東武との関わりもあくまでも建て直しとして語られていたというか、なんとなくタイトル見ると釈然としないw
ちなみに建て直しに関わってないと美術品にぽんとお金を出していたり、故郷の振興のためにお金を惜しまなかったり、筋が通らないことに憤って自分の恩人の娘婿に対して(東京電燈という電力会社を私物化するようなことしてました)財閥を向こうに回してでも喧嘩売ってたりとか…、大概無茶な人だなぁ、と思ったけどよく考えると完全に筋通ってるな。
正直なところあんまり上品てタイプの方ではないんですが、人としての品格みたいなものに欠けたことってほとんど人生通して関わってないのか。


ただ、ボロ会社建て直す段階で結構融資に無茶言ってたり、喧嘩吹っ掛けたりお金を惜しまない部分と締めるところがはっきりしてたので、面白くない人はいたのかもねw
ところで他はだいたい人に任せたのに東武鉄道だけ生涯関わり続けることになったのは東武鉄道だけがいつまで経っても貧乏なことと関係はありますか、聞いちゃ駄目ですか。