「ドラゴン」アルケミスト双書、ジョイス・ハーグリーヴス

この本を最後まで見終わって(各々読むほどの分量がないし、全体的な分析をするにしてもちょっと統一性がなかったよな、同レーベルの『ストーンサークル』は対象が限られていたので結構読み応えがあったんですけどね)、結局のところ残ったのは「イングランドのドラゴン伝説多すぎ」という印象に他ならず。
いや、それほど不思議ではないんですよね、東洋の龍や中南米ケツァルコアトルなども短いながら一部紹介されていたのですが、西洋のドラゴンの発祥はもとはケルト神話だということなので、現在もれっきとしたケルト民族地域(南北アイルランド/スコットランド/ウェールズ)のお隣、というか、現在は同じ英国で多分かなり混血も進んでいるのだろうイングランドに余所よりも多い、というところまではいいと思うんですよ。


ただ、そのスコットランド(2番目くらいに多かったかと)などよりもぶっちぎりに多い、となるとさすがに、えー? としか言えないというか。
単にイングランドで主に収集したから、ということなんでしょうか?
いやまあ、イギリスの出版社の翻訳みたいですし、ある程度の偏りはあるだろうと思うんですけれども、東洋が多いのもヨーロッパの他の地域がドラゴンというよりも他の動物とのキメラ的な存在の伝説が多いのもそこまでは納得するんですが。
それでもなんかちょっとばかり違和感がw
そもそも東洋の神に近い龍と違って、ドラゴンはわりと邪悪で知恵の存在とされているんですが、それでも治水に梃子摺った地に伝説が残る、というのは東洋に近いような、しかし蛟とか大蛇の伝説まで載せてるとやっぱりちょっと印象ばらけるかなぁ。
いやもう、イングランドの井戸のなにかいる度率高すぎです、ドラゴン? なのかな。