「東京馬車鉄道」都史紀要33、東京都

かつて東京の市街地には市電と呼ばれた大きな路面電車のネットワークがありましてね(なんか路面電車のことを他でも市電って呼ぶ傾向あるけど東京の東京市電気局が元なのかな?)(電気も売ってましたのでw)、それがもともとは私鉄の3社の合同で。
その一番最初の会社はその前身が馬車鉄道と呼ばれ、1頭引きないし2頭引きの馬車によって運営されていたようです。ちょっと今となると感覚わかりにくいんですが、もともと乗合馬車から始まって、その乱立のためにアメリカなどで発達していた馬車鉄道が計画されたんですが、なんでもレールの上に乗せると劇的に効率が上がったのだとかw


で、この本はまず乗合馬車の歴史から始まりまして、なんでかというとそもそもそれ以前の日本の道というのは全くそういう車輪の類に耐えるだけの整備がされていない。
馬車が乗入れるだけの整備が行われた土地にその需要の高さから馬車鉄道が敷かれて行ったよ、というわりと直線的な発展の仕方してるからのようですね。あと、実は乗合馬車と東京馬車鉄道との間に人力車が誕生してまして、これも実は近代以降の発達。
日本固有のものなんですが、馬車と大八車の相の子ではないかと推測されているようです、時期が馬車の少しあとなのは単に事実なんですが発祥がよくわからないらしいw
乗合馬車は東京の市街地や街道などで華々しく活躍したもののせっかくイギリスから買った2階建てのオムニバスは主に家を壊す側に作用し、馬車鉄道建設が打診された時も「危ない」「レールあるし」という会話があったんですがどっちも深く納得したよ。
一旦走り始めると人力車はともかく乗合馬車を圧倒、ただし糞尿は馬鹿にならない量だし道は破壊されるし、で延々と行政と揉め始め、最終的に電気へと転換されるまで事態が解消しなかったようですが、正直この続きも読みたいなぁ、なかなか面白かった。