「東京市電・東京都電 Tin-Tin-Go Graph-ity」高松吉太郎

東京市電や都電の本というと正直読んでるほとんどの本が1980年とか下手すると2000年とか軽く越えている本が多い中で(内容は「ちゃんと」してると思うけど、やっぱり洗練されてる感は拭えないなぁと)、1976年という本は正直珍しいのではないかな、1972年が都電のほとんどが廃止された年のようなので。
しかしあれか、私の年齢と大差な…、ほほほほ、なんでもないですw
ていうか、1976年だと都営新宿線(1978年ですね)もだいたいこの辺だよね、なんか半ば歴史みたいに思ってたけど、そういうわけでもなかったのか。
まあ、もともと東京馬車鉄道ではなくて品川馬車鉄道だった(合併しました)路線から電車を走らせたので一時的に路線が3本あったとか、そこを試運転時には馬車と電車が交互に走っていたのだとか、それが関東大震災の時に外れてたとか。
歴史がどうとかそういう観点というよりはひたすら同時代の話だったかなぁと。
ざっくり言ってしまうと雑多な本で、どこからか拾ってきたようなポエムとか小説の一文とか「消えるからって今更ノスタルジー語られても」ということや、でも銀座や青山などの花形路線は本当に惜しまれてたよな、街の顔だったのにだとか。
チンチン電車というのは発車サインのことで、別にこれブザーでもいいんだけどねとか。
運転手さんがモテたのでハンドルカバーを停留所ごとに変えても余ったとか、関東大震災後に無料運転したら人が詰めかけすぎて動けなくなったので特別料金にしたとか。


なんてんだろね、今まで読んでた本とちょっと違って、ああ、こりゃ消えるべくして消えたんかなぁ、と思えないでもないというか、路面電車だからってより、曖昧に生まれて曖昧なまんまで消えてった存在だよねと思うのですが、東京らしいっちゃらしいよなぁ。