「未知の国スペイン−バスク・カタルーニャ・ガリシアの歴史と文化」大泉陽一

バスクは山の民、ローマ人よりも古くからここにいるんだよ(実際そうみたい、ローマの到来そんなに昔じゃないしね、せいぜい紀元前ちょっと)、というところまでははっきりしてるものの、どうもそれ以上のことがよくわからず、かつてナヴァールという国に属していたところなし崩しにスペインの統一に巻き込まれ、現代は時々独立運動の話を聞きます。
過激派がいないってわけでもないんだけど、北アイルランドなんかとは違いますね。
カタルーニャというのは大雑把にバルセロナを含んだ地域で、かつてスペイン統一時のカスティーリャ語系(とアラゴンが統一されました)ではないものの、ご覧の通り少数派とはとても言いがたい地位にありますね、スペインの首都だと思ってる方も多いようで。
(首都はマドリード、こないだここでのオリンピック開催が候補に上がってましたねw バルセロナのほうで行われてしまったので。)
ガリシアというのはポルトガルとも言語が近い土地なんですが、サンティゴ・デ・コンポステーラというと聞き覚えがある方もいるのではないのかと、カソリックの重要施設、というか有名な教会を中心にした地域でこの土地のヨーロッパとのつながりを象徴的に担っていた場所なんですが(でも中心民族じゃないというかケルトの血も混ざってるらしいw)。


もともとばらばらの言葉と文化圏であるスペインという国が、さて、なんで一つの顔をしているかのように外からは見えるのかな、というと、ちょっとややこしい問題があるのですが、近現代史になると正直「世界史」からは姿を消すと感じてる人も多いのではないかと。
そもそもこの国はつい最近まで、というより今の体制の直接前の段階までフランコ独裁政権であってヨーロッパ一般からは距離を置かれていたわけですが、それ以前は内戦、そしてそれを強引にまとめるための独裁、まあこの本も齧る程度でしかないんですが。