『現代南アジアの政治’12』#2 現代インド政治の見取り図

“世界最大の民主主義の国”、2009年の第15次総選挙では7億人の有権者。

2000年以降、アメリカとの関係が好転しているので、アメリカのことを世界最古の民主主義、インドのことを世界最大の、などと会話を交わしているようです。最近はちょっと中国のことを意識した発言が出てくることもあるみたい(インドは民主主義なのでそうそう一直線には経済発展出来ない、だってw)。

民主主義の基準は定期的な選挙実施と政権交代、スローガンよりも実績に拘る傾向も。

 

1989年、選挙権年齢引き下げ(21歳→18歳)。1992年、地方分権・住民参加パンチャーヤット制改革。2009年、電子式投票制。2011年、在外インド人(約1100万人)に対する選挙権。

とはいえインドの政治は三つの有産階級、大工業資本・富農・官僚の馴れ合いで動いている、と主張される向きも(ブラナブ・バルダン『インドの政治経済学』1984年)。

インド政治経済の2時期、1947年の独立から1980年代までと1990年代以降、初期は輸入代替工業政策を敷いたために国外との競争から守られ、ところが経済成長が伸び悩み、「ハイコスト経済」と呼ばれる状況に陥りその政策を推進した会議派が衰退。

で、1990年代のインド経済危機を経て経済自由化へ。

これってあれだよね、湾岸危機(1990~91年)とも書いてあるんだけどアジア通貨危機なんかもこの辺じゃなかったかなぁ。IMF国際通貨基金)に頼ったら、まあ引き換えに自由化とか要求されますよね、というわりと定番の展開に。

とはいえ、この場合は現在のBRICsと呼ばれるようになったんだから結果的に良かったってことになるんだろうなぁ。政治は多様化、貧困問題がだいたいの急務かなぁ。