『激動イスラム』#1 アラブの春はどこへ~エジプト変質する民主化革命~

正直私、NHKの特集番組を結構評価してるんですが、なにをっていうか、わりと長く現地の画像とか人の様子とか写してくれるんですよね、説明とか解釈が主じゃないというか、最近はそれほどないですが解説を聞き流して現地の言動だけ見るとかよくしてました。

で、この回はあれ、“ムスリム同胞団”がエジプトの革命後の社会で台頭し、そのことに非常に強い懸念を抱いている若者層、という構造で進めたかったんだろうな、と思ったんですが、何回か「民衆の」発言を聞いてるとだんだん内容に悲壮感が篭らなくなってってだんだん身近な要求になってるんだよねw

そこまで劇的に生活状況が良好になってるわけではないんだとは思いますが(それだったら普通に褒めてたと思うしね)、なんとはなーくの緩和ムードにあるんだろうな、とは見当付きました、最初に出てきた女の子もちょっとずつ態度変わってったしね。

 

確かにムスリム同胞団とガザ・ハマス(ガザはイスラエルとエジプトの間)とがもとは同じ組織で、大っぴらに関係を吹聴できるようになり、イスラエルの攻撃目標になり、というのが懸念なのは当たり前だし、前の大統領のような露骨なアメリカ寄りでなくなれば投資が減るなんてのもどうしようもないんですが。

ただなぁ、今までの事態と比べて悪くなったかというと、別にそんなこともない。

ムバラク大統領への反動でイスラム政権になったら不安、というのは若者でなくても当然ですが、それにしちゃ基本全方向。というか俗物で実利主義者だよなあれ。

彼らが狙ってるのはエジプト一国のイスラム支配ではない、と声を潜めた証言者が出てきてなにを言うかと思ったら「彼らの目的は世界征服!」とか曖昧すぎるわ特撮か?!

憲法はちょっとまずいかなー、と思うけど、まあ当面の不安材料でもない、ような。