「羽田vs.成田」唐津雅人

少し本で語られていたのとは順番が前後しているのだけれど(この本は章ごとに個別テーマ、という感じではなくて全体で大きな流れを語っていたという印象ですね)、イギリスのヒースロー空港が実は成田とそれほど変わらない条件にあるのだよ、ということと、日本は他の地域はともかく対アメリカの路線、特にアジア大陸方向に関しては他の追随を許さないんだよ、ということを脳内で並べて、イギリスにしても日米間の関係にしてもまあ政治的な事情もあるだろうな、とは思うものの、よく考えたら地理的にもかなり理に適ってるので今後よほどのことがなければここの優位は揺らがないだろうな、と思えますしw

韓国の仁川空港は要するにトータル・コンセプトにおいては日本の成田や羽田には全く勝ち目はないものの、しかし、成田のシェア拡大がなかなか難しいということを考えたらあちらに流れることが、と言われたらそれもそうだろうなというのは頭でわかりますし。

制度次第では(オープンスカイという全世界的な流れ)確かに仁川には十分今後の伸びしろがあり、それを脅威に思うのは全く筋が通ってるけど、そこまで圧倒的に不利なわけではないんだよね、というのも納得。成田の滑走路に関してはいろいろ絶望的なものの、現在の時間制約に関しては今後の検討の余地もあり。

羽田が再国際空港化をしたことでお互いに役割り分担できることもあるんじゃないのかな、という意見も。とにかくあれなんですよね、空港までのアクセスでとにかく羽田が人気になるもので、成田便が安いって言われたらうん、覚えがありますとも。

 

比較的全体的に感情論を廃してまして、仁川空港を丁寧に挙げたのもヒースロー空港やアメリカの国内線を語ったのも日本との比較のためでわかりやすかったですね。

複数のハブ空港があってもそれはいいんだよ、負けなきゃいいんだ、ってのもいいね。