「汽車・電車の社会史」原田勝正

ついこの間まで600ページくらいの『都史資料集成』なんてのを(第3巻の東京市街鉄道ね)読んでいたので、まあまあこの本で語られている“電車”に関しての話も面白く読めたのだけれども、これ今の鉄道マニアでも読める人そんなにいるのかなー、という気もしないでもないんだよな、都市交通系の人は多分問題ないと思うけど。

んであと、“汽車”というのは大雑把に普通の鉄道のことですね。

昔は長距離はまずもって蒸気機関車だったもので、本の中でも語られてますが現在JR中央線となっている甲武鉄道が最初に電車を走らせ(ついでに唯一市街地にも乗り込んでいました)、のちに国有化された時に他の路線でも電車を走らせるようになったんだけどね、とは言われてるものの、この時点でも蒸気機関車との併用だしねー。

戦争などの事情で電化のみにしなかったというのはまあ聞いたこともありますね。

 

鉄道の歴史そのものは他にも本があるので、市内線である路面電車の話をすると、大雑把に都市圏の交通はまず乗合馬車から馬車鉄道へと転換、電車の利用自体がされるようになってからも都市圏の免許がなかなか下りず、京都や名古屋に少し遅れる形で東京に3つの路面電車の私鉄が発祥、これ出願が多すぎてまとめられなかったのかな、と言われてますがw

ちまっと大師電気鉄道なんて名前が出てましたが、これは観光・参拝などの目的に類する鉄道ですね、今の京浜急行電鉄の原型となってるんですが、これ以外の郊外路線はだいたい市街線よりはあと、こちらは少しずつ発展して上の中央線などとはまた別の形で普通鉄道に近付いていったと形容されていましたが、今ではどっちもほぼ同じ形してるよね。

汽車部分に関してはまあ鉄道趣味者ならだいたい読めると思います、そんな目新しい内容でもないけど、電車の都市交通部分が読めると時列順がわかって面白いと思うけどね。