『住まい論’10』#14 住まいの環境とデザイン

この回の講義を聞いていて一番印象に残ったのが、熱い砂漠と海岸線の日差しの強い地帯、そして寒冷の土地の構造が意外と似ている、という点。要するに外気との出入りを少なくして家の中の温度をなるべく快適に保とうとしているということなんじゃないかなと。

で、その場合は要するにこれ、温度ももちろん重要ですが、湿度が低い土地の選択ということになるんじゃないのかなー、と。海岸の近くが湿度低いって言われると結構不思議なんですが、風が強いとどうしてもそうなるよね。

 

この回で語られていたのが人間が生活するのに必要なエネルギーの中で大きな比重を占める冷暖房に関して、建築的工夫でコントロールしようとする「パッシブ」に関して。

これに対応して設備的工夫のことを「アクティブ」って呼ぶようです。

現代人にはピンと来ないかと思うんですが、そもそも都市は人間が暮らすのにはもっとも適さない環境に作られ、それを各種工夫で暮らせるようにするためにはそもそも莫大なエネルギーが必要とされ。

古い伝統的な住居にはさまざまな自然環境に対応するための工夫があったのですが、近代に入ってから建築物から自然環境への対応力が失われ、ある程度の時間が過ぎてから少しずつ建築家などの提案で復活していった、という流れが地味に興味深い。

要するに近代に巨大都市を形成するようになって排除されていた古い理屈が、現代に形を変えて復活してきたってことになるんだね、人間の進化って一方向じゃないよなぁ。

夏と冬とで二層になった機密空間と開放空間の組み合わせなどもそうですが、夏と冬との日照や風向の影響などの評価基準があったり、建材による違い、庇は断熱効果も遮断効果もあるんだよ、とか、建築の段階で出来ることって結構たくさんあるんでしょうね。