『探検バクモン』江戸・東京400年タイムトラベル 文明開化編

私の今の守備範囲が近代以降なので(大学の頃に日中戦争前史、中国サイド)、まあ正直、江戸東京博物館に行った時も近代パートも悪くはなかったんですが、やっぱり江戸のボリュームに比べるとちょっと物足りなかったかなぁ、という気が。

江戸から東京への転換期ってのは、やっぱり市街地範囲の急速な拡大がポイントになると思いますし、そうなるとどっちかというと交通網やインフラ設備の発展などに対してのスポットを当てて欲しい気がするんですが(江戸のほうには上水の資料があったので、明治以降の上下水道が上水とどんな関係にあったのかの資料欲しかったっていうか、一気に開発出来たわけではないので平行期があるんだよね)、まあ、そういうところは既存で存在してるからいいっちゃあいいのかなぁ、鹿鳴館と馬車鉄道が走ってる銀座だっけ、あの辺の模型なんかは結構面白かったんですけどね、あと凌雲閣のミニチュアもなかなか。

それ以外はちょっと普通の博物館っぽかったかなぁ、というのがちょっと残念。

 

どっちかというと爆笑問題の2人があとで話をしていたような、工業発展に対して人々がどんな受け止め方をしていたのか、みたいな中身の話のほうが興味深かったです。「汚れた空気の缶詰」って、正直高度経済成長期が終わったあとに生まれた人間はきちんと順序立てて説明聞かないと意味わからないですよね。

そっか、工場排気そのものがちょっとした進歩の象徴みたいなものになりえたのか…。

でも、私の知りうる限りでは関東大震災、大正の終わり頃になるともうすでに郊外への脱出傾向などがあり、自然回帰みたいなことも口にされ始めているはずなんですよね。

なんだろう、そもそも明治の近代化ってものすごいスピードだった印象なんですが、今考えてるよりもっと劇的な意識の変化があったってことになるのかなぁ、凄まじいな。