『八重の桜』#35 襄のプロポーズ

この八重さんの最初の夫である川崎尚之助氏についてはどうもこの大河の関係で資料の掘り起こしが行われたとも、もっとそれ以前に別のドラマで評価が悪くなっていたとも聞いていたんですが、裁判記録にはっきり残ってる人を行方不明扱いってのはさすがにちょっと釈然としないよなぁ、「ドラマのせい」とか言われたら、そこは否定したいです、そのドラマはあくまで資料の読み込みが足りなかった、というだけのことだと思います。

正直、その程度のもので影響されたんだとしたら、そっちのほうが問題じゃないの。

 

史実としては彼が斗南藩に関係した詐欺事件に巻き込まれ、その責を一人で負ったこと。そして八重さんがその彼の死のすぐ後に生涯の伴侶と婚約をしたこと、それだけしかわからない、尚之助さんに向けられていた逃げた男、という評価そのものは簡単に覆りますけど、この二つの事実だけでは、当事者たちが一体どう思っていたのかはさっぱりわからない。

八重さんが離婚に応じなかったこと、必ずしもそのことを納得していたわけではないということくらいしかわからないんですよね。だからこの回は、すっきりしない歴史を背景にしているという点で仕方ないと思うものの、やっぱり釈然としない展開ではありました。

ただ、まあ、やっぱりフィクションはフィクションであって、ここはこれだけの意味で、史実を塗り替えるものであって欲しくはないです。資料を掘り起こすためのきっかけになったというのが物語と歴史の関わりの最良の結果で、そうなったんだから、まあ、いいか。

新島襄さんの京都でのキリスト教学校は案の定の寺院の反対により、頓挫しかかり、その対応に走り回る毎日。ところでこう、相変わらずの槙村さんは頼りになるんだかならないんだかさっぱりわかりませんが、躊躇いはあっても偏見はほとんどないことはよくわかったよ! んじゃ、自分で説得しろってさっぱりしてんな頼りはないけど!!