「明治三十七年の鉄道旅行-日露戦争を走る」鉄道タイムトラベルシリーズ1

日露戦争を走る 明治三十七年の鉄道旅行 (鉄道タイムトラベルシリーズ1)

日露戦争を走る 明治三十七年の鉄道旅行 (鉄道タイムトラベルシリーズ1)

この明治37年というのはとりあえず「辛勝した」(とまでは言ってもいいだろ)日露戦争の年なのだそうで、あ、すみません、近代中国政治史がメインだったんで微妙に経緯とか把握してないんですが、賠償金取らなかったもんだから国内世論的にかなり大荒れになったんだよなぁ、しかしぎりぎり勝ちだと強気に出られないんだよね、うん。

つか、賠償金が取れなかったことがどうこの後に影響してくかっていうと、大雑把に非常に懐が苦しくなるっていうか、そんな感じ。まだこの時代までは右肩上がりですが。

という事情なんかはわりとすっ飛ばし気味に司馬遼太郎氏の『坂の上の雲』とか韓国の鉄道巡りとか中国の鉄道巡りとか、東北の地巡りとか九州巡りとか四国巡りとか、ラストのほうで旧・甲武鉄道、現・中央線の記事が出てたのは意義があると思うんだけどさ。

甲武鉄道はこのすぐあと、明治39年だっけか、国家買収される身の私鉄ですね。

他にも日本鉄道とか(山手線の一部はもう存在してるけど環状になるまでまだだいぶ掛かりますね)、それこそ東海道線とか、ちょっと事情がわかりにくい横須賀線とか、いろいろ歴史ネタとかあると思うんですけどねー。

韓国とか中国の鉄道も、当時の政治情勢とか絡めた感じで紹介して欲しかったんですが、なんちゅーか、土地の紹介みたいなところに終始してしまった気がする。歴史ネタの本としてはちょっとなぁ、定点観察モノだとしたらちょっとテーマ詰め込みすぎだし。

 

とはいえ、東北や四国、九州の地の鉄道に関してピンと来なかったのは、あれは当時と今の路線の違いを語るだけである程度土地の歴史を反映しているはずなので(九州なんて昔のがずっと路線多かったみたいだよって聞いたことあるなぁ)、それがわからないのは自分のせいかもしれないんですが、そこを興味持てるように書いてはくれてなかった気はする。