「政友会と民政党-戦前の二大政党制に何を学ぶか」井上寿一

面白く、はなかったのですが、とりあえず金解禁を行った濱口雄幸(要するに“金本位制”の復活、あれです、金の貯蓄量のみ通貨を発行するってやつ)がなぜ失敗したのか、というのはそれなりに客観的に話が聞けたような気がするし。

ああうん、アメリカが恐慌のあとに不況が来ると思ってなくて、底を打ったからしばらくしたら回復するって明言していたという状態がまずあって、それを信じての金解禁と財政引締め(まあセットなんですよ、要するに通貨の量が減るので)を行ったものの、時代は世界恐慌到来、みたいなことになったら、まあ、うん、ちょっと判断間違ってたって評価されても仕方ないかなー、という気もしないでもない。

ただ、軍事予算の削減がもはやそのくらいしか方法がなかったってのも、別のところで読んだんですが間違ってないような気もするんだよね…。

 

そもそも私、1冊読みきったのにこの二大政党の名前もろくに覚えられず、あれですね、確か政党政治批判してたほうが政友「会」と名乗ってた記憶だけが薄っすらあり。

民政党が政友会の対抗馬として急遽作られたわりには、犬養毅は良かったんだよね、真摯だったし人気高かったし、でも彼頼りになるだけでなんの方針もないとか、そんな説明だけを覚えているのですが。

内容を把握することが出来なかった、というより事実の羅列ばかりで動機背景らしきものがほとんど語られてなかったんですよね、この本。

とはいえ、説明が欲しかったかというとそれも微妙で、動機があろうがなかろうが、ほとんどなにも実らずに事態と役者が転々と変わり続けていくことだけはよくわかりました。

今と似てる、と言われたら、ううん、似てる、似てるな残念ながら。