「ABC殺人事件」エルキュール・ポアロ11、アガサ・クリスティ

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

クリスティ作品を読んだことがなくてもこの本のネタは多分聞いたことある人は多いというか、そのトリックも何度も何度も何度も使われていると思うんですが、「オリエント急行の殺人」と違って一応致命的でもないというかね。ただちょっともったいないですが。

このトリックを知らないでいることはなかなか難しい気がします。

Aの付く土地でAの付く老婦人が殺され。

そしてBの付く土地でBの付く女性が殺されることになりますこの事件。

 

それぞれの間に他の共通点は何一つないにも拘らず、Aの事件よりも前にポアロ氏に届けられました殺人予告。土地の予告はあるものの、その相手までは指定していない上に、かなり悪戯っぽい文面なのでもちろん最初の事件が起こるまで相手にされないわけですが。

B、Cと進む間に当然のことながら事態は一転。

一連の殺人事件は一大センセーションを巻き起こし。

被害者遺族連合なんてものまで作って新しい事件に…、まあ一緒に震えることしか出来ないんだけどね。とりあえず警察動いてるし、個々の被害者の情報が捜査妨害になる部分もあんまりないもんね。

頭文字によっては人数が限られることもあるんですが。

それでもかなり巧妙というか、尻尾を全く掴ませません。

そして事件の陰に見え隠れするABCの並ぶ奇妙な名前を持つ奇妙なストッキング売り、この彼が犯人か? とも取り沙汰され、その正体が追われることにもなりますが、こいつの存在は結構あとまではらはらさせられたなぁ。いや本当に犯人かどうか微妙で。

しかし、ポアロさんはこの状況下でも恋人の架け橋やってんのねww