『現代日本の政治’11』#9 地方自治と政治

この回で語られていたことを理解するにはどちらかというと、後半で出てきた「やっぱり自分の住む町のことを、東京の人によって決められてしまうというのは気味が悪い、という考え方は当然あるもので」という表現を軸に考えるべきなのではないかなぁ、と思うのですが、あれだよね、過去に何人かいた我の強い政治家が自分の出身地、特定の地域に新幹線を引いたり開発を重点的に行った、ということが日本の歴史には存在するわけですが。

その時に逆らったのも要するに“東京の人の意思”なんだよね。

これ、前に鉄道関係の本で読んだ時に指摘されていたんですが実際に当時の新聞が新潟の地とつながることを関東民がどんなに喜ばなかったか、という点でのみ批判を形成していて、言われてみるまで気付かなかったんですが正直ぞっとしました。

 

ということを前提にして考えてみると地方自治がそもそも、中央権力の専横を防ぐという目的のもとにあり、健全な市場の育成のために、と言われてるのも意味がわかりやすい。

ただ、そのシステムは地方そのものに財源がなかったり、そもそも福祉など、国民が画一的に受けるべきものを実行する能力に欠けていたり、と必ずしも目的の通りに廻らず、国の補助金や計画を代行する、という形で結局のところ中央集権化してしまうということや。

実際に地方に福祉を任せてサービスの格差が出来た場合に、またその能力に欠けた地域からどんどん人がサービスの良い地域に流れ、という問題が起きかねない。

企業ならばその場合に収益を上げ、規模を拡大しという展開が出来るのだけれども当然自治体には無理、と言われたらそりゃそうだよなぁ、としか言い様がない。

そしてまた、国そのものに借金が増え、体力がなくなっても国からの補助を待つのか、という問題もあり、そもそも構造や理論からバランス悪いんだなぁ、ここら辺って。