「東京都電6000形」RM LIBRARY-19、江本広一

東京都電6000形 (RM LIBRARY(19))

東京都電6000形 (RM LIBRARY(19))

 

 

6000形というのは都電の代表格、同時代を知っている人なら鉄道マニアでなくても唯一それだけはわかる、というような存在感の車両ではないかと思うのですが、あの独特の明るい黄色は戦後生まれだからこそだったんだね。

戦時中に資材がない中作られた木造車両を改造したものがあったり、その後登場した7000や8000よりも、結局使い勝手が良かったということなのか現役を貫き、一部を荒川線に転属するものの、ほとんどを都電の廃止(って言うんですよね、荒川線残した時点で)と運命をともにしたのがこの6000形。

他のレトロ車両と比べるとちょっと重みがないというか、なんだか軽いんですけどね、時期や時代を考えるとそれこそが歓迎された、というのはわからないでもないな。都電の最盛期は昭和30年の半ばくらい1960年代の頃だったようなので、戦中も最盛期も、廃線まで見たってことになるのなら、まあちょっと特別な気はしてきますw

前に誰かが言ってたんですが、路面電車が東京に走り出して都電の廃止に至るまで、人間の平均寿命よりも短いんだそうですね。それはちょっと、短いかなぁ、やっぱり。

 

そもそもパンタグラフじゃなくて丸い輪っか付けたみたいな「ビューゲル」だし、さらにその前の「センターポール」(棒です、よく架線から外れたみたい)からの改造だし、そうだよなぁ、都電だとそもそも架線そんなに低く張れないですもんね。

この本には特に停留場の写真なんかはなかったんですが、自動車道の真っ只中にあったりして、やっぱりバスより柔軟性が低いために苦戦していたりもして、消えてしまった意味もなんとなくわからないでもないかなぁ。最盛期を淡々と書いた本だからこそというか。

でもやっぱり、都電の走る東京もちょっと面白そうだよね、少し不便でも。