『美の巨人たち』建築シリーズ 丹下健三「東京カテドラル聖マリア大聖堂」

丹下健三というと、極めて個人的に新・旧都庁を建てた人で大阪万博で“太陽の塔”にぶち破られた土台部分を作っている人、という若干残念なイメージの人なんですが。正直言うとちょっと苦手なんですよね、ただ、彼が悪いというより、多分私が漠然と苦手なものを代表しているのが彼だから、という気はしないでもないんだよね。

(彼の弟子が新都庁を作っていたら、ぶっちゃけ日本は少し生きやすい社会になっていたとは思うんだけど、だからって丹下健三が作ったから日本が悪くなったとは全く思わない。)

 

1964年に代々木競技場が出来た同年、というとそれこそ前回の東京オリンピックの直後になるのか(そういや作中劇でそんなこと言ってましたね)、HPという直線を少しずつずらしていくことで曲線を作る技術、で作られた関田協会。これが最高峰なんじないのかなぁ、「これ、コンペで落とせないでしょww」って言われてましたが、ああうん、わかります、なんというか物が全く違う。

ある日突然全身ステンレスで現れたぴかぴか光る巨大な、2千人をも収容するカソリックの協会は、正直周囲の人間の感動と興味を惹き、たくさんの個人宅の写真にも残ってるよ、というと結構なインパクトだったんだろうなぁ。

ただ、正直番組見てる間に首痛くなっちゃったんですけどね…構造が面白いことは頭ではわかっているものの、目で見てわかるかって言うとちょっと辛いな、あれ、内部かどっかに模型飾っておいてくれるといいと思います。屋根と壁が合体し、HP曲線が8枚に組み合わされ、内部はコンクリート剥き出し、そして全体は十字架の形、というとんでもない建築なんですが、東京オリンピックと被ってて建築業者足りたのかが気になりますw

社会の勢いそのものだよ、と誰か言ってましたが、ああ、そういう時代だったのか。