『東京人』2010年03月号「江戸吉原 part2」

このちょっと前に読んでいたのですが2007年の同じ3月号に同じ「江戸吉原」の特集の第1弾があって、その3年後に第2弾を出せる『東京人』ってなんかすごいなw もちろん前の特集を読んでなきゃわからないってことは全然ないんですが。
まあなんというか、前回より今回のほうが微妙に正統派といえなくもないというか。
例を出すと第1弾の映画紹介が『さくらん』で第2弾が『吉原炎上』ですとか。
さくらん』を語ったのは若い女流の映画監督さんでもともと漫画家さんの原作があって、その原作がすごく好きだった、浮世絵の中の古いのにひどく色鮮やかな世界に惹かれてとにかく無茶をしよう、楽しかった世界があったことも描こう、という記事になっていて。
吉原炎上』を語ったのは原作の男性の作家さん、直接は知らなくても、近くにその世界があって、その華やかな世界の裏側の苦しみはけして忘れないようにしよう、としているという。
なんだろうね、いっつも両方があってゆらゆらしているものなんだろうなと、たまに揺り返したりもする、でも実際男ばかりでなく女にとっても憧れの女性たちだった。夢に見るのはお姫様などではなく花魁そのもの、彼女たちがこの世で一番高級な女性だったことも事実。
けれど、年季が明けたり水揚げされて引き受けられる女はごく一部、吉原の平均寿命は27歳、非合法の岡場所に至っては21歳だったという現実もあるわけなんですよね。
ある意味で揺れることも当然というか、仕方ないことでもあるよな。


小唄に歌われたり、心中した時は実は案外と男と一緒に葬られていたり、吉原が火事になると「仮宅」という少し自由な他所の場所で営業が行われて、それが終わる時に心中するなんてこともあったり、やっぱりどうにもならないものも少しの救いもあるよなぁ。
ところで日本堤に吉原を移転したのが「往復で堤防を固めるため」なのが地味にすごいなw