『環境工学’13』#14 安全が確保される社会(2 化学物質のリスク管理

ものすごく大雑把に言えば現代社会において化学物質は切って切り離せないものであって、いくらでもありなにをどこまで減らせばいいのか、ということはむしろ素人が真っ先に考えそうなことなんですが、それに対しての数値モデルがこの回の内容なんだろうね。

で、まずエコチル調査が行われ、毒性を持つ物質をどの程度摂取しているか調査するそうなんですが、まあこれも調査方法によって違ってくるよね、というのがまず一つ。

(最終的に実際の家庭で食べられている料理を一人分検査する方法と、平均値を取った食品を購入しその中に含まれている分を測定する方法とを足したものとなったようです)。

で、その物質をどこまで除去するのか、ということの指標も算出されていたんですが。

例えばガソリンの中のベンゼンリスク管理では、このベンゼンに年間86人の白血病発症者が出ると仮定し、31億円の被害費があると試算し、この31億円が対策の基本的な費用として見積もられる、という考え方をするみたいです。

さすがに31億円の枠だけで考えるわけではないですがって言ってたけどねw

 

で、他にも負の遺産がいろいろありましてPCB、フロン、DDT(農薬)、アスベスト、PFOS(泡消化剤)などですが、この辺は損失余命における化学物質のリスクランキングというものでまとめられているようです。

まー、毒性そのものが弱いのも急性毒性があって事故が起こっちゃったものも両方含まれてるんだけど(PCBのカネミ油症事件とか)、毒性が弱いものは現在存在する分量が多いとかいろいろ他にも事情があるんだよね。ストックホルム条約でも制約されてるって。

ただ、感染症(ジアルチア)を防ぐ目的で発がん性が疑われる消毒副生成物が生成されるなどの事情もあって、まあ、一筋縄では行かないんだろうね、玄人でもね。