「都電-60年の生涯」東京都交通局

んーと、都電の荒川線のみを残しての全面撤廃が1970年代だから1910年くらいを想定してるってことは、ああ、やっぱり“東京市電気局”の発足からか、この年数を見て人間の寿命よりも短い、という表現をしていることもありますが、最盛期や、そうでなくても順調だった時代の長さってのは都電の場合、本当に短いんですよね。

今はほとんど全ての路線が少なくとも一旦はバスに転換され(荒川線はこれがいくつかの事情で無理でしたw)、現在も基本的には都バスでつなぐ、ということにはなっているんだと思うんですが、正直、時代の流れ以上に都電の走っていた頃とそうでなくなってからは変化があったんだろうなと客観的に見ててもどうしても思うよね。

この本は廃線からほとんど時間を置いていないほぼ同時代の発刊で、もうすでに車掌さんたちのインタビューに出てくる「青筋」とか意味がわからないw どこか特定な路線のことだと思うんですが、青筋は男前とか可愛いの多かったよね、とか気になるじゃんか。

従ってノスタルジーとは違うものの、小さな子どもがほいっとあやすように乗せられたり、小さな女の子のお遣いだのとか、皆顔見知りだったしね、なんてのは特別な世界だったんだろうね。今残しておくべきでした、とは言わないけど、惜しむのはそれも自然だよな。

基本的に結構大判の本で、写真はモノクロが主、馬車鉄道がまだ残っていて電気鉄道が試運転で走り始めた頃から、一足先に消える蒸気機関車を見送ったり、路面の安全地帯(ちゃちいですよ)に辿り着くのも一苦労とか、まあそんなのがごちゃっと。

 

銀座線(愛称?)とか、わりと早い段階で銀座のほうから撤去要請とかあったようですが、それこそ、そこくらいは残して欲しいって皆が思ってたんだよね。お別れの時に、皆がこのくらい乗っててくれてたらって運転手さん泣いてたり、やっぱりちょっと惜しかったな。