『美の巨人たち』ウィリアム・モリス「レッド・ハウス」

アーツアンドクラフツとモリス商会は確か産業革命と連動した人間性の回帰として語られていたような記憶なんですが、この回で出てきた「世界一美しい家」レッド・ハウスや各人の人生までは知らなかったもので、いささか変わった学生の集団として出会いと、そのうちの一人の美しい妻との生活の結晶のようなものであるところのレッド・ハウスを、たった5年で手放さざるを得なかった、と言われていて大変心配していたんですが…。

モリス商会がロンドンに拠点を移したのね! というか成功だねそれは!!

気のせいかもしれませんけど、微妙に話引っ張ってくれませんでしたかどきどきしたわ。

(と思ったけど番組のページ見てたら絶対わざとだわーあれ。)

 

正直、当時画期的だったことも、それこそアーツアンドクラフツから現在までの流れが始まってることも頭ではわかっているし、その背景に産業革命(いつからいつまでとも、それがなんであるとも明確に定義出来ないんだよね)(すごく大雑把に60年の治世を誇った英国のヴィクトリア女王の所産とだけ捉えたほうがいいかもする)があったからには、その試みが真摯でなかったはずはないとも思うんですが。

だがしかし、言葉で説明すると自然との融合、植物モチーフ! で済んじゃうんだよねどうしても。ロンドンに拠点を移すとますますあれだよね、せめて人工物を植物の形にするよ、という慰めにすぎなくなってしまうって考えてしまうんだよなぁ、うーん。

ただ、正直どうしてもそう捉えていたアーツアンドクラフツとモリス商会も、本当に自然の中に調和する形で建っているレッド・ハウスを通して捉え直し、そして、例え人工物としての植物であっても、そこから始めて、それから本物の自然を都市の近くまで呼び戻すまでになったというその後があるなら、馬鹿にすべきじゃあないよなぁ、どう考えても。