「凹凸を楽しむ 東京「スリバチ」地形散歩」皆川典久

昔江戸は湿地だった、みたいなことは日本人ならだいたい知っているレベルであろうものの(授業中に寝てなければ)、さて、実際にどういう地形になってるんだろう、と言われるとよくわからないというか、そういやよく考えたら江戸時代にすでに開削技術が結構発達していて、窪みを埋めたり川の流れを変えたり、山を削ったり人工の山を作ったり海を埋め立てたりしてたんじゃなかったっけ、と思い返すのが正しいかどうかわからないのですが。

個人的には本でも時々出てきてた『ブラタモリ』のほうが話が完結してて面白いかなぁ。

まあ、近所っていうか自分が住んでる場所がまんま出てきて駅までの間が窪んでるよん、と言われて、今日ラーメン屋から帰る時に見たら「あ、窪んでる」と思えたのは確かに非常に面白い経験だったので、街歩きという観点ではこれ以上は必要でもないんでしょうか。

 

私は歴オタ系の人間なので、どっちかというとむしろ人間は水害を避けるよりも低地に住んで井戸を掘って暮らしていたよ、だから人が住んでいたのは低地ね、とか、江戸を作った日比谷、とかそういう章のほうが面白くはありましたかも。

丸の内とか銀座とか日比谷とか兜町とか日本橋とか、わりと地味な展開なんですけど、いろいろ読んでくと面白いですよね、基本的に江戸城のお膝元だったので両替商がいたり魚市場があったり。あ、かつては入り江だったんだよ、てのが関係してるのか。

あと、昔、江戸東京博物館に行って見た東京の断面地層図を見てたら「渋谷がない?!」と同行者と騒いでしまったんですが、谷のターミナルと呼ばれてました、深いんだ、やっぱり深いんだ、まあ豪雨で街ごと沈んでたからな、前。

これはこれで良かったんですが水や農耕や歴史なども捉えた方向に進んでくれると嬉しいかなー、神社と地形なんてのはぽちぽち触れられてたんですけどね。