『産業立地と地域経済’12』#2 農業立地の基礎理論

大雑把にとある土地に牧畜地が存在し、その周囲に三圃式の農地、穀草式の農地、そのさらに外周で林業が行われる(講義よりもさらに簡略化しましたが)、ていう基本モデルが「孤立国」。

その立地が形成されるのがチューネンの“農業立地論”、それぞれの産業の位置関係は都市=市場からの距離(輸送代)、純利益と地代によって分布する。という理論のようです、もちろん実際には他の様々な要因が介在し、必ずしもこのままにはならないけれど、ただその地において一番高い利益が出る産業が違う、というのはわりとわかりやすい概念なんじゃないかなぁ、牧畜などは輸送費が掛かり新鮮さが大事だからね、という理由で比較的都市に近いところに作られるとか、林業はさすがに必要な土地が広すぎて輸送代はそこまで問題にならないとか、いろいろ要因はありますよね。

 

この理論自体は今はあまり実用には足りなくなってきてしまったんですが(輸送や保管の技術が変わったんだろうね)、変わりに“都市地代論”として生き続けているのだとか。

この場合に関係してくる概念は差額地代と独占地代、貸し出す場合にしろ自分で所有する土地にしろ、その土地であることで一番価値が高い使われ方をするよ、ということだと確かになんとなくですが思い当たることはあるかも。

ただ、現実の都市を分析するための説明として有効なことはわかるけど、町が極端に画一的になりそうであんまり歓迎したい計算式ではないなー、この辺。ああ、いや、その土地にいる人々の生活を維持するために孤立国がそれぞれ作られていくってことになるのか。

ところで講義の中で語られていた「人為的に希少性を創造する主体の存在?」って東急ですかね、なんか理論に嵌まらないんだよなぁ、という口調で触れててちょっと笑いましたw