「日本の近代建築(下 大正・昭和篇」藤森照信

日本の近代建築〈下 大正・昭和篇〉 (岩波新書)

日本の近代建築〈下 大正・昭和篇〉 (岩波新書)

 

 

上巻はむしろ建物の歴史を語ることで日本のその当時の意識や、必要とされた建物、どのような改革を志していたのか、どんな層によってなされたのか(建築家は正直旧幕府サイドも新政府寄りだった人もまんべんなくいたのね)、ということを浮き彫りにしていたような気がするのですが、下巻はそうだなぁ、日本に焦点は当たっていたものの、モダニズム建築の全体像みたいなところに主題があったのかなぁと。
モダニズムというのは近代建築、と訳されてしまうことが多く、日本ではいわゆる文明開化以降(からモダニズムの大正末期までに間があるわけですしね)の欧米の文明の流入期の建築とごっちゃになってしまうためにあまり適当ではないとのことなのですが。
「国際近代建築」と言われてしまうとちょっとピンと来ませんねw 要するにモダニズムはやっぱり欧米の国々で現れた、なんだろう、建築の無機質化かなぁ。ミームを元祖とし、日本で一番知られているのはコルビジェなんじゃないのかな?
私は個人的に昔よく見ていた『美の巨人たち』という番組で時々聞く名前でした、やっぱり代表格みたいに扱われてるんだよね。

 

正直明治が終わり、大正に入ると個人主義が始まり、それぞれの派閥が鬼子のような建築物を作ったり(傑作もその中から出るのですが、築地本願寺は否定出来ないww)、強度計算に鉄筋コンクリートや鉄骨の試行錯誤や耐震や耐火などの意見が出揃い、東京の地に都市計画が持ち込まれるのを待っていたかのように関東大震災。て、え、順序そうなの?!
逆だと思ってました逆だと思ってました、ああでも本当に大正初期から始まってる!
モダンデザイン、モダニズム以降は少しの反対派を除き、これに統一されてしまうのですが各国のモダニズムがよく揃ったって、それも変な褒め言葉だなぁw