「日本の私鉄15 京成」カラーブックス・第1シリーズ、早尾興/諸河久

ちょっと偶然なんですが教育社新書の『私鉄業界』をたまたま読んでまして、それと同じ昭和57年の刊行、で、確かその中では成田空港に直接乗り入れられなくてかなり苦戦を強いられている、と表現されていましたっけ。
現業の方が書いたこのシリーズも本も何冊か読んでいるのですが、こんなに車両車両車両性能! という押し出しの本は初めてで、ちょっとこう、びっくりしました。スカイライナーに触れてるところではある程度あるんですけどね、車内設備が好評とかそうでないとか。
んで、他の本で見た成田空港へ直接乗り入れられてない、という状態も特に説明されておらず、後半の歴史の章はわりと見覚えのある文章だったので共著の方じゃないかな、人車鉄道から始まってるはずの歴史が欠けていて、ありゃ、という気分に。
記録はきちんと残ってるんですよ、駅の時期も日付単位まで明瞭でしたし、車両の移動は1両2両単位で非常に細かく記述されている。でも、駅がわかっているんだから徐々に行われたのだろう延伸(大正元年の開業時点で数駅、次に作った時点でそこと路線がつながってないとか)が記憶として語られてないんですよね、なんか不思議な感じ。

 

都営浅草線との直通で地下鉄対応車両が必要なことはわかっていて、今は成田空港で頭がいっぱい、必要な車両はどんな感じ、という正直ちょっと独特な印象になりましたw
前に別の沿線の(鉄道ファンの)方の京成の本を読んだのですが、他社がやたらと引き合いに出されていて、なぜかというとほとんどの技術導入がほぼ中間なんですよね。常に遅くも早くもない、てことは、ひょっとして他社に合わせているのかなぁ、という気も。
ただ個人的には大手私鉄でこんなにこう、個性や意思が薄いところは珍しい気がするので、これはこれで個性って言っていいのかもしれないw