「牧師館の殺人」クリスティー文庫35/ミス・マープル1、アガサ・クリスティ

牧師館の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

牧師館の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

確かミス・マープルのシリーズは何作か読んでいて、この本は最初の本なので読んでいると思うんですが、最後の「大ドンデン返し」の部分に至ってそこしか記憶にない、ということがはっきりしてしまったので衰えを感じますが、まあクリスティ作品は仕方ない。
かつて若い頃に読んだ時には多分牧師さんの悪妻のグリゼルダのことを素直に悪妻だと信じていたんですが、どこがだよ、牧師さん見る目確かだよ!! 以外のことが特に言えません、可愛いじゃないですかっていうか憎まれ口くらいしか叩いてないよこの人。
そしてミス・マープルはなんだろう、よくわからない。
代表的な安楽椅子探偵だと思うんですが座ってないです、主に庭をいじっておられて、そこから村の隅々まで見ておられますね。それと今回読んでヘイドックさんが好きになりました、ホーズには同情するけどホーズに手を掛けた人間はすっごく怒るのね了解ww

 

クリスティ作品のいつものごとく、事件と同時にさまざまな関係のないことが起こり、それを取り除いていくと最終的には一本のすっきりした道筋だけが残る、という展開は微妙に辿らないこの話。確かに泥棒はいるし、不思議な未亡人らしき美女がいて、時間の混乱や何本もの電話があってややこしいけれども、他のものを取り除いていってもこの事件ってなにか装飾過剰で、犯人が誰か、と告げられた時にその人物を疑っていたわけではないものの、わりとすんなり、「ああ、それでか」と感じたような気もします。
そうしてよくよく思い返してみると、本当に利己的な犯人の、本当に頭の良い内容が展開していて、そして自意識過剰というかなにか余計なんですよね。
とりあえず牧師さんはグリゼルダを大事にして下さい、てか、ヘイドックさんも大事にしてあげて下さい、良い人に恵まれてるよなぁ、また出てくるかしら。