「動く指」クリスティー文庫37/マープル3、アガサ・クリスティ

動く指 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

動く指 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

「ロンドン行き」からの怒涛の展開に思わず語り部であるジェシーの身元とか年齢とか確認してしまったりして、いやミーガンはそうなんだよ20歳なんだよ!! などの感慨に振り回され、確かに感じていたはずの全体的な違和感(女が「手紙」を書くとして、なぜそれらしい噂を書かないのか、というのはだいぶ妙だ、うん)を忘れてしまい、結局それ以降犯人が捕まっても真犯人が捕まっても頭が働いておらず、読み終わってから違和感はあったんだよ違和感あったんだよ、と床は叩いたがもちろん遅いですし。
妹と医者の話もあれもいいですね男を手玉に取る美女がその場を適当に合わせたはずの自分の言葉で翻弄されて目が覚めるみたいな!!
あ、マープルさんいらしてたんですよね、という感じに堪能していたと思います。
ところで世界を見てみたいなぁ、と言ってらした可愛らしいおばあちゃまの夢が叶った部分ばかりはさすがに語り部のジェシーと共に複雑な気持ちになりましたが、まあ不幸な人だったからいっかぁ、と思い直しました、うん気にしない気にしない。
彼女の夢の成就ってあれだよね、二人の殺された女とあと殺人犯一人と失恋した人とを引き換えに叶ったんですよね、…うん、まあいっか。失恋の人には慰めになるよきっと。

 

なんの話だったっけ、あああれ、一応あれだよね『ABC殺人事件』系統の話ですよねネタバレですけど(でもこれでわかる人は普通に読んでても気付くと思う、読んでて気付いたのに怒涛の展開で忘れる人は読書人としては幸せだと思う)。
多分あれです、ロンドン行き部分からミーガンの変身までは想像してもその後の展開に叫ぶ人は少なくないと思います。あと、おばちゃま方…思ったより皆いい人ってのが大きかったです、いやぁ、面白かった、うん、面白かった。