「日本陸軍20大決戦-西南戦争から沖縄戦まで」太平洋戦争研究会

日本陸軍20大決戦 (PHP文庫)

日本陸軍20大決戦 (PHP文庫)

 

 

そもそも最初に挙げられていた西南戦争の時点で(維新の立役者である元薩摩藩士の西郷隆盛の内乱ですね)、まだ軍隊としての体裁が整ってもいないような時期ではなかったかと思うんですが、作られたばかりの鎮台? でいいのかな、からの兵が猛者の薩摩兵に対してもよく戦った、ということが素直に言われていましたし。
正直、最後の最後まで規律が乱れているということもなかったように思います。
初期の日清戦争日露戦争北清事変義和団の乱って言わなくなったのかなぁ)などを見ていても明らかに略奪行為とか少ないしね。中国軍など特に民兵だったり軍閥だったりしたので酷かったり、ある程度まで侮る気持ちもわからんでもないのですが。

 

補給がなくても気持ちがあれば攻略が出来る、というのはない、本当にない。
あと、米艦隊を沈めた残存兵だけしか来ないと信じていた上官に対し(実際にはほぼ被害なし)「言い出しにくくて真実が伝えられなかった」という将校もなんかが違う。
もともと欧州の植民地だったこともあって、東南アジア(まだその呼び名はないんですけどね)の国々とわりとそれなりの関係を築けているな、と思っていたら、一国ずつ徐々におかしくなっていく辺りとか、なんか目を覆いたい気持ちでした…。
それこそアメリカからの独立を控えてアメリカ軍の帰りを待ってるフィリピンとか。
現地の独立軍の期待を裏切れなくて必要も薄く、イギリス兵と戦う兵力もなく突っ込んでいったインドとか(関係悪化はしなかったけど戦局悪化はしましたね)。
インドネシアにはむしろ独立させてくれる存在だって歓迎されてたのに、せめて負けても補給なしで戦えるって信念とかなければ、良かったのに。
なんかもう、なにが辛いんだかよくわからなくなりながら読み終えました。疲れた。