「明治・大正・昭和 東京時空散歩」竹内正浩

明治・大正・昭和 東京時空散歩 (洋泉社MOOK)

明治・大正・昭和 東京時空散歩 (洋泉社MOOK)

 

 

鉄道の本などで定点観測という写真をメインにした本をたまに読むことがあるのですが、これはいわばその地図版、かつて有名だった建築物の現在の姿とか、今有名な土地になにがあったのか、という両面から語っていてくれるのが結構良かったなぁ。
正直、どっちかだけだとそこそこ数あると思うんですけどね。

 

例えば東京駅はかつて司法関係の建物があったんだよ、とか、三菱に購入して貰ったよ、という丸の内の土地には陸軍の関係施設があったとか、これ他で読んだんですが東京駅を作るための資金が足りなくて三菱に払い下げるために一旦更地にし、そこに高層ビル以外を建てさせなかったから「荒野だった」んですよね、結構前後抜けた話聞いてたなw
六本木ヒルズは地権者がたくさんいて、それこそ17年も掛かって作ったんだよん、てのは土地信託の制度が出来たからですよね。正直その土地の下町部分が潰されてしまったというのはわかるんですが、なんかあそこイメージのわりにちょっと地に足が付いた生活感が抜けきらないところがいいんだよな、案外その前身のせいなんでしょうか。
日比谷公園は政敵だった時期に徹底的に破壊された長州屋敷が前身で、新宿西口にはかつて淀橋浄水場があったとか、池袋のサンシャイン60は巣鴨プリズンと呼ばれた刑務所だったとか(戦犯がいたんだよね、その後日本に戻されて移転)。
かつての軍関係施設は平成に入るかどうかの時期にぱたぱたと消えてしまい、競馬場などもほとんどが郊外地に移転し、東京スカイツリーはなんでも生コンクリート工場だったとか、浅草の凌雲閣12階はその有名さに反し、不安定さから客足が遠のいていて今はパチンコ屋の一部になっているのだとか。知ってる話も知らない話も結構いろいろ入り乱れていてそこが面白いんじゃないでしょうか、歴史と地図の本増えたよねぇw