「「日本の神様」がよくわかる本」戸部民夫

この本の参考文献になっていた『日本の神々』(松前健)という本を次に読んでいるのですが、なんというか、日本の神の系譜というのは、今私たちが見れる最古の物の時点で政治的な改変をすでに経ているため、その解釈というのも学者ごとにだいぶ別れているんだろうな、ということを感じるのですが。
そういうことを考えるとむしろ古い神社などはそれよりも神話より時代が古かったりするんですよね、建物は建て替えられて、向きが変わったり、祭神もあとから加えられたり変えられたりもしているのでしょうが、それでも「意味がわからない」ものが残ったりしているということは古い伝統が少しでも残ってるってことだよね、編集される前の。

 

あくまでも神社を中心にどのような集団によって広められたのかというところや(わかりやすいのだと稲荷神社が渡来人だとか、八幡神社がだいぶ時代下って鎌倉幕府の庇護を受けたとか)、複数の系統がそれぞれ影響しあって混線したりもしてますが、まずとりあえず神社という実物を元にしている分、正直わかりにくい部分はなかったです。
ご利益が若干迷走というか、増えてったみたいなことはあったみたいだけど、まあそれは民衆というか信心してる側の素直な希望なら仕方ないなw
前に読んだ『全国一の宮』の本のほうが面白くはあったんですが、あちらよりこちらのほうが範囲が広くて、広い分さすがに一つずつの神様に割くページが足りないというか、まあ仕方ない仕方ない。
御霊信仰や平安以降の実在の人を祭った神社などがわかりやすいのは当然なのですが、海より山の信仰のほうがどうもわかりやすい気がするんですが、私に基礎知識が若干あるからなのか、海の信仰のほうが体系が混乱しているからなのか、どっちだろ?