「建設-建設と産業」図説・日本の産業17、黒川弘/松岡勝博

大雑把に竪穴式住居から始まって(それより前は洞窟に住んでいたって言われているよ)、建築様式と建築技術のそれぞれの流れを語り、交通インフラなどの都市形成にも触れて、災害用対策も行って、多摩ニュータウンなどの住宅地を語り、団地のページで終了、という辺りで時代を感じないでもないですが1983年って昭和58年かー、あー、まあまだ破綻する前ですね。
理論的にはニュータウンは昭和40年くらいには破綻すると見られてたみたいですが、同世代ばっかり集めてたらどんどん抜けてって、そういう土地に若い人間も年寄りも入るの面倒だよね、という簡単な理屈なので、まあ表出するまでにはもう少し時間は掛かったね。
ただ、技術的にはその場で材料を加工する古典的なやり方から(だからカンナとかノミなのですね)、ログハウスなどの元の材料を簡易に組み立てるところを経て、プレハブという他の場所であらかじめ建材を加工しておいて現場では組み立てるだけにして。
ニュータウンなどの同じコンセプトの建築が並んだ形式を経て、最終的に規格そのものが統一された団地で建築の歴史としては一旦終了、というのは理屈としてはそれはそれでわかるよね。この後、自然エネルギーの有効利用やらコンパクトシティ構想なんかの方向に行くもので、ある意味で退化っちゃあ退化だしね。

 

他にもレンガやコンクリートブロック、石などを積み立てるのが組積構造。柱を基本とするのが架構構造(骨組み方式)、鉄筋や鉄骨・鉄筋コンクリートなどを使うのが一体式構造。
家の中を管理する技術や、交通インフラ、下水道の話など、ちまちまと軽く触れられていただけなんですが、結構面白かったなぁ。
ところで代表的建築の一覧の世界の建築物が全く聞いたこともなくて、時代感じるなぁw