「モール化する都市と社会-巨大商業施設論」若林幹夫

わりと名高い玉川高島屋SCにはついこの間事情があったのでついでに寄って、新宿などのごてごてと詰め込まれた空間に慣れていたので歩くの面倒い、と思いながらわりととっとと離脱してしまったのであんまり良い印象もなかったのですが。
あの土地の人には新宿や渋谷や銀座には適わないまでも繁華街がやってきた特別な空間なんだよ、ということが説明されていて、ああまあ、となんとなく納得、したかな?
(自分が新宿に出るしかない立地の人間なので、微妙に感覚狂ってるとは思うんですが、しかし渋谷新宿が結局一番楽って鉄道圏って実はかなり広いしなぁ。)
(この手の話だとあんまり出てこない池袋がむしろSCがある土地と感覚近いんじゃないのかな、とちょっと考えているんですが。)

 

少し前に読んだ『東京スタディーズ』という本が出てきていたんですが、あちらと同じく都心のSCには嘘寒いものを感じるものの、郊外のSCは地元の特色を潰すと言われていてもそれが時代が求めたものである以上しょうがないじゃない、というスタンス。
で、微妙に何人かの方がアンチ西武というか、パルコが作り上げた空間は敗北したのだ(“つかしん”は存じ上げないのですが)という感覚をお持ちのようで。
ちなみに銀座はコンビニ薬局が増えて特別な土地であることは維持できず、百貨店は相変わらず入りにくい空間になっている、などというのもわりと一貫した内容だったかな。
で、ただ、庶民にだいぶ近い地方百貨店や六本木や赤坂なんかにある高級感を残した大型商業施設なんかには触れず触らずなんですよね、ちょっと消化不良感が残るかなぁ。
とはいえ、SCの通った迷走の道はまあよくわかりました、文化推進の中で文化を否定する身食いみたいな体質じゃなあ、でもこの本少し、それに似てるよね、なんか。