「日本の神々」谷川健一

日本の神々 (岩波新書)

日本の神々 (岩波新書)

 

 

何冊めだったかそろそろ記憶が曖昧になってきたんですが(東京の府中にある大国魂神社のことが知りたいんですが、祭神からして妙に曖昧)(この本で他の大国魂神社も紹介されていて「土地そのものを祭る」ってのが始めて明確に説明されてたなぁ、それって確かかなり古いスタイルじゃなかったっけ)、どういうわけか九州辺りから沖縄辺りまでの地域の話が非常に多くて、朝鮮半島はまあ定番ではあるんですが(稲荷神社の秦氏ではなかったんだけどね)、東南アジアもちょっと出てきたり、とかそれを認識してから手に取ったほうが無難だったかな、と思いますね。
日本の神の系譜を語ってなんで南の島だけじゃ、山を語らんかいってのが的を得ていたと思うんですが、山の系譜を語ればそちらに比重が取られてしまう気もするので(大和政権への系譜という意味で)、全く違う情報を投げ掛けるものとして有効だったのかも。
あまり手が入っていないというか、旧態の神話が残ってるな、とも感じましたしね。
ただ、神話の系統そのものが曖昧でそれがどの位置に嵌まるべきなのかさっぱりわからない状態ではあったなぁ、逆に固定観念がないのでそこまで違和感なく読めた面もあるかな。

 

ちょっと気になったのが多分半島から流れて来た女性の産んだ息子が「八幡」って呼ばれてるんですよね、上で触れた大国魂神社に「友人の八幡さま」ってのが逸話として残ってるみたいなんですが、八幡神社って祭神複数いてどこか曖昧で、なんだろう違和感あるなー、と思ってたんですが(この名前も半島との戦勝記念の旗の名前だとか)、要するにこれにか限らず適当に辻褄合わせられてしまったものはたくさんあるんでしょうね。
大和政権でも山でも出雲でもない日本の南寄り神話と捉えることが出来るならば有益なんじゃないでしょうか、ただし断片で、まだ構造には至ってはいないのかなぁ。