「東京古道散歩」荻窪圭

東京古道散歩 (中経の文庫)

東京古道散歩 (中経の文庫)

 

 東京の「古道」と言われるとまあまずちょっと詳しい人だと日本橋を基点にした江戸5街道が思い出されると思うんですが、江戸なんてつい最近、関東はもちろん中心地ではなかったけれど、もっと昔から人は住んでいたんだよ、という心意気で作られた本なのだとか。
そして著者さんは特別に歴史が得意というわけでもなく、けれどデジタル機材を使うのは得意でいろんなジャンルの調べごとは出来る。それと自転車と写真と位置情報システムを使えば道中の記録も残せる。という目論見のもとで計画を立てて曲がりなりにも歴代の東海道を推測し(時代によって少しずつ変遷していったんだとか)。
鎌倉時代に作られたのだろうと推測されるものの、すでに廃れてのちに「鎌倉につながっていたんだって」という伝聞で名前が付けられた関東の“鎌倉街道”も取扱い。
ああ、確かに鎌倉街道って特に関東に多いんですけど、あれが実用の名前だとすると同じ名前が多くて使いにくかったんじゃないかってレベルで重複してるよねw
これはあれですね、いざ鎌倉、源氏に仕えた武将たちがいざという時に駆けつけるためにって言われると教科書でも読んでますよね。ある程度は名前も残っているものの、いざ辿ると道が途中で途切れていてすでに自然に戻ってしまっているのだとか。

それと、これはたまたま最近読んでいた武蔵国の府中(今の東京都府中市)の国府につながっていた関東各地からの道の話、これは本の中では特に触れられてなかったんですが、水路がだいぶ発達してたはずだから今とは使われ方が違っただろうなぁ。
この府中には国分寺につながっていた道が見付かったと有名で、品川への道があったらしいんだよねってのもたまに聞くよなぁ。ただ武蔵国府や武蔵国分寺が一体いつまで機能してたのかもわからないようなので、どうしてもちょっと曖昧にはなりがちだよねw