「蒸気機関車の動態保存-地方私鉄の救世主になりうるか」交通新聞社新書045、青田孝

 

私あんまりSLって言葉が好きじゃなくて、理由みたいなものは今もよくわからないんですけどね(なにか子どもの頃の印象があるのかなぁ、と思うんですが、下手するとフィクションの影響だったりもしそうだよな)。この著者さんがなるべく「蒸気機関車」と呼ぶと言ってくれたんで、ちょっと安心? 違うかな、ああ、自分だけでもないのかなぁ、と感じたりもしたんですが、別に人が使ってる分にはそれはそれでいいんだよね。
この本では大井川鉄道秩父鉄道、それから真岡鉄道で動態保存されている蒸気機関車について、それぞれの顛末や、その備品やボイラーなどに関して語られていたんですが、JR東日本所属のはどこ走ってるのかなぁ、秩父鉄道だけじゃないんだよね?
あ、いや、イベント列車として出てくるってことになるんだっけ。
正直、一番最初に始めて、もともと蒸気機関車に関わっていた国鉄職員(当時本当に国鉄だったんだよ)を引き抜いて、そこから少しずつ習うことで技術を蓄積し、自分たちでなんでもやることで資金もあんまり掛からない、という大井川鉄道はともかく、秩父鉄道真岡鉄道はだいぶ台所事情は苦しいのかなぁ、蒸気機関車での黒字計上が出来ないのはともかく、秩父鉄道なんて運行停止要請が沿線から出てるって言うしなぁ。
それでも地域に人を呼び込む集客力はどうにも馬鹿に出来ないようなんですが。

というか、私は今まで特にこの手の本を読んだことがなかったんで知らなかったんですが、あくまでも蒸気機関車の動態保存が先にあって、その運行先を探した、というのが話の初めだったんですね。ただ、動かすとなるとどうしても2台(両?)以上は必要になるので今度は静態保存から掘り出されたり、ボイラーも弱ったり、スコップを復活させたり。
どこをどのくらい守るかってのは、多分ずっとジレンマなんだろうなぁ。