「京急400・500形-大型吊り掛け駆動車の生涯(上」RM LIBRARY-173、佐藤良介

京急400・500形(上) (RM LIBRARY 173)

京急400・500形(上) (RM LIBRARY 173)

 

 

すごく大雑把に吊り掛け駆動車は現在はカルダン駆動車になって(詳しいわけでは全くないですけど、大雑把に車輪を廻すための仕組みの違いで、吊り掛け時代は整備の人が油まみれになるって話は聞いたことがあるなぁ、カルダン駆動車になったからこその感慨だろうね)、大型車になったのは大正の終わりくらいからの関東広域での住宅需要の伸びにつれて郊外私鉄が乗降数が増えて、大型化したり高速化したり、あと、この本の中でも語られてましたが連結し始めたのもこの前後の流れですよね。
要するに昭和の初期少しすぎくらいから、戦争も経験し、戦後に新技術の登場となるまでのいわゆる過渡期の本、ということになるんじゃないでしょうか。
京浜急行電鉄路面電車出身ってのはこの本ではあんまり関係なかったんですが、関東で最初、日本で3番目の電車線でもともと道路と共にあったってことは、この頃にはどちらかというと足枷になっていただろうって気もしますね。
(というか、他の路面電車系の本だとまだこの時期には旧態依然とした部分も残ってたという印象があるので、京急さんはわりと早い段階から高速化を志向していたのかな、という気もしないでもないですかも。)

著者さんは今まで何冊も京急の本を扱ってまして、そちらも正直良い内容だと思うんですが、戦争に関しては各社曖昧になってしまってほとんど語られていないってのはそれは感じるなぁ、沿線に軍事基地がある関係で米軍専用車を用意しないわけにはいかなかったんでしょうが、それに戦災復旧車を当ててたってのは初めて聞きました、ナイス措置ww
戦争を挟んでいるので東急との関係もまあぽちぽち語られていたんですが、大型化したのは地下鉄との直通を不可能にするためって噂があったのかw これも初めて聞いたなぁ。