『東京人』2013年11月号「丹下健三と東京オリンピック」

東京人 2013年 11月号 [雑誌]

東京人 2013年 11月号 [雑誌]

 

 

私はちょっと丹下健三が苦手、というか具体的に言えば新宿新都庁が苦手なんですが、「東京カテドラル聖マリア大聖堂」とか「代々木競技場」なんかは普通にいいと思うし、今まで知らなかった「静岡新聞静岡放送 東京支部」は大受けでした、あれは好きだww
で、多分ですがこれ、岡本太郎大阪万博丹下健三さんの建物をぶち破って「太陽の塔」を建てたのと理由が同じような気もしないでもなく、この特集にはなかったんですが東京都職員が丹下健三の旧都庁を嫌っていたのも、少し似てるような気もする。
(わりとどうでもいいんですが母親がル・コルビジェが嫌いなんですよね、規格化の象徴みたいな人だよね、ただし晩年の自宅だけは好きらしいです。)
丹下さんを敗者の日本、復興の時代を代表する建築家と位置づけ、そのために中央政権とも縁が近かった。彼のやりたかった自己主張はしょぼくれた時代だからこそ映えたのであって、あれを強い国がやってしまうとただの嫌味になってしまう、と言われていて。
彼のあとの世代の建築家たちは「勝者の日本」が生んだ存在なので主張も薄いしどちらかというと中央は避けていく、なのである意味、都市の建築家と言い切れるのは彼だけなのではないか、という評価なども概ね納得。
ただ、あくまで個人的なことながら、そうすると自分がなんで苦手なのか、と考えると少しややこしくなるような気もするんですよね。敗者の日本の発想が駄目なのか。
今の人たち、不況しか知らないという若い世代の人たちが彼のことをどう感じるのかなぁ、というのもわからないながら、ちょっと気になるんだよね。

そもそもこの特集もオリンピックが2020年に決まったからだと思うんですが、うん、景気と経済の話しかしないのは寂しい。派手な建物じゃなくて美しい建物がいいなぁ。