「武将と名刀」佐藤寒山

昭和39年時点で(前に読んだ『日本名刀物語』の2年後で戦後19年ね)、すごく大雑把に「享保名物帳」という本にかなりの部分を頼っておいでのようなのでそこまで精度が高いかというと正直怪しいものはあるものの、戦国時代の記録に頼るに頼れないみたいな事情はわからんでもないかな…リアルタイムだからしょうがないんだよ逆にね。
ただ正直なところ、名刀がどこかからひょこっと出てくるなんてことはほとんどありえない、というのが前書きの部分に書いてあったものの、どこぞの神社から出てきただの消息不明だの、そもそも誰が所持していたのかさっぱりわからない大包平だの(他にも時期によってはわからない刀はあったけど、格のわりにわかってる時期短かいよww)、ごろごろと出てきたので要するにあれか、行方不明の刀剣を届けられるのが嫌だったんだろうな、いろんな刀が届けられるんだろうなぁ、と正直しみじみと考え込みました。
うん、こういう本書いてる人のところには行きそうだわ。
時期もGHQに日本刀そのものを消滅させられるところでなんとか踏ん張って、まだまだその時代だと戦前の人いくらでもいただろうしなぁ。正直刀の格とかさっぱりわからないんですが、この程度の刀が代表格になる時点でおかしい、とか、格が低いと本物に「逸話あり」の偽装がされるものの、格が高い来派なんかはまあ贋物作ってから、とか。
結構ちまちまとエグい感じの話があったような。

ところで秀吉さんはわりと刀自慢でぎゃーぎゃーと煩く、家康さんに「家臣が一番大事です」とやりこめられたって聞きますが、そのわりには一期一振の話がどの本でも出てくるのであんまりその辺で悪い印象はない、あれこれごちゃごちゃ言ってても一途じゃんww
秀吉コレクションは燃やした家康が直してたらしいけどね、寡黙で記録が残ってない。