「古城の風景(1 菅沼の城・奥平の城」宮城谷昌光

どちらかというと面白かったのはタクシーの運転手が城跡のことをなぜかそれとなく把握しているという辺り(さすがに小説関係の人の集団が痕跡を見つけられるかどうかというものはわからなかったみたいだけどw)、城跡のわりには地形がおかしい、防御が出来ないのでは、海岸線がもう少し内陸寄りだったのでは? と見当を付けてあとで調べてみると実際のところは水が周囲を囲む水城だったとか。
石垣って織田信長が足利将軍(義昭、だっけ?)のために作った城が最初って言われていてそれ以前は土塁の類なんだね、とか。
その程度の知識も全くないんですがこういうことってどこかにまとめて扱ってる人がいるのかなぁ、前に読んだ城の本は完全に建築に特化していたので、残念ながらどの武将がどの時代で、という記述なかったのよね。
日本には史書を守るという発想に乏しく、信長か秀吉が学者を集めて室町政権のことをまとめるべきだった、ということが語られていたんですが、実際のところその辺どうだったんだろう、この二人だと時期とかもとの出身からちょっと難しそうだけど、徳川家にはそういうことなかったんですかね(というかどうして家康さんは指名しなかったかな??)。

地域地域にはそれなりに城にまつわる土地の支配者の伝承のようなものはあるものの、それでいざ系譜図を作ろうとしても混乱してしまうらしく、仮説として出してその誤りを指摘されるのも嫌がる、と言われるのもなあ、正直なところわからないでもない。
実際に城に関わる人名としては今川氏くらいしかピンと来るところがないというレベルだったんですが、どうも最初から細かく突っ込んだところを扱っているようなので逆に前提とされる知識が少なくて読みやすかったんじゃないかな。時代はわかんなかったけどね。