「「鎌倉」の時代」福田豊彦/関幸彦・編

正直手に取るまでわからなかったんですが論文集ですねこれ、んー、鎌倉街道などに関しては最近かなり研究が進んでいるので読んでいて意味もわかったんですが、例えば「鎌倉」という単語が公的資料に出てくる回数や傾向についての時代的変遷の分析とか。
木曽義仲の討伐の時の実際の命令系統、平氏による軍事支配は存在しなかったのではないか、という説と、それと連動しているのだろう源頼朝が流罪となった土地でどのような扱いを受けていたのか、という話が。
そうだよな、確かに平氏の支配がそこまで絶対のものでなければ源氏の御曹司はただの小競り合いであって、いつか都に戻って官位を得る存在として認識されていてなんの不思議もないってことになるのか…。
挙兵しそれが成功したあとから時代を見ているので、「なぜ源氏が生かされたのか」という観点で語られることがあるが、それはあんまり適当ではないのかというような説。
軍事の天才とされた源義経は実際には敗残兵を追っていたにすぎない、というのはいささか蛇足なような気もしましたがw まあそもそもそこまで組織化されてるとは実際考えにくいよなぁ、それこそ幕府持ってるわけでもないわけだし。

極めて個人的に刀工が鎌倉(幕府)の地に呼ばれたという話に関してが聞きたかったんですが、わりと規程の説として語られていた刀工が鎌倉に呼ばれたということに関しても必ずしも実際にあったとは限らないってことになるのかなぁ。
鎌倉街道よりは進展が遅いものの、最近たまに見るようになっているのが鎌倉幕府と京都との密接な関係ですかね。それと寺社管理に関してのわりと具体的な話。
地域の資料があるのにきちんと生かせてないってのは根深い問題っぽいなぁ。