「福沢諭吉-明治知識人の理想と現実」高橋昌郎

福沢諭吉氏ってのは大雑把に幕末の世の中で「洋学派」というところに分類されるようなんですが(たまに見るけど多分一番わかりやすいのがこれなんだろうね)、中村正直って人を持ち出したのは「儒学派」との対比って意味だったんでしょうね、対比そのものは面白いと思ったんだけど、ちょっとその部分に関しては消化不良だったかなぁ。
ていうか私、中上川彦次郎氏って前から名前は聞いていたんですが、三井の大番頭とか言われてるこの方ってあれか、福沢諭吉の甥だったんですね。
福沢諭吉のもっとも信頼した片腕とも呼ばれ、慶応義塾との関係も深かった、というと三井の近代化の立役者にもなるわな、ちょうどこのあとに出てきた本でも軽くですが触れられていたので、今まで見てても認識してなかったのかもw

で、大雑把に旧幕府側、なので新政府に呼ばれた時にも直接の形では参加しなかったようですね。ていうか日本の経済界を引っ張った実務系の頭脳派って渋沢栄一福沢諭吉だったっぽいんですが両方とも幕臣だったのか…、明治維新の中でけして薩長派のみが力を握っていたわけじゃないよ、と言われてたんですが思った以上になんかこう、微妙。
あと渋沢栄一も一時元士族の評価に走ってたみたいですが、うーん、まあ、かつての教育の違いってのはどうしてもあったんだろうなぁ。
2013年の大河ドラマ『八重の桜』の中で初期の同志社の苦労みたいものが印象深かったんですが、その中では安泰とされていた慶応義塾も結構初期の頃の苦労は似てるなぁ、どうしても教育制度そのものがないともなると、予算付かないよねぇ、小学校とか、中学校をおいおい作ってるみたいな中でいきなり高等教育みたいな立ち位置だしね。
しかし結構若い頃に差別的な発想しててびっくり、歳取るほど偏見減ってるのね、不思議。