「日本鉄道史の研究-政策・経営/金融・地域社会」野田正穂/老川慶喜・編

あとがきに「野田正穂氏の古希のお祝いとして出すつもりだったのに、諸事情にて遅れてすみませんでした!」と老川慶喜さんが断っていて、相変わらず仲いいなwww と笑い転げていたんですが、鉄道史研究の集団の中で野田正穂さんだけがちょっと系統違うっぽいもんね(証券市場のほうがメインの人みたいで、どっちかというと初期の証券市場が鉄道をメインにしていたためにこちらに関わることになったようです)。
ええと、2003年の刊行なので、10年くらい前の本になるのかな?
鉄道の父である井上勝氏の評価ってのが初っ端2本続けて語られていたんですが、うーん、「中山道経路だと閑散地の発展に貢献する」って明治10年よりも前の時点で他の名前で献策されていた内容だった気がするので微妙ですかも(それこそこの系統の別の本で読んだんですが)、ただ、確かに東京-大宮間の日本鉄道路線と、新橋-横浜間の最初の官設路線を結ぶべしってのは他所でも主張見たことありますね。
その時に中山道とつなげってのは、わりと納得しやすいですかも。
中山道の東西幹線って途中で頓挫してしまったので全体像があんまり語られていることがないんですが、最終地点で日本鉄道線とつなぐ予定だったのかなぁやっぱり。
(ただ、そうでなくて接続に拘る気はしないけど、そう明言してるところはないですよね、井上勝氏ってあんまりはっきりと計画の全体像を口にしないみたいだよなぁ。)

あと、日本鉄道の職能別の効能ってのが語られてたんですが、ぶっちゃけ人材を内部で繰り回して以降の妙な効率化って横のつながりが出来たせいって読んだんですがどうだろw
川越鉄道の初期計画が甲武鉄道かどうかとか、京阪電車の事情、播但鉄道の資本事情などなど、まあやっぱりこれ自体で結論には至らないかな? 一進一退ですね。