「岩崎小彌太-三菱を育てた経営理念」宮川隆泰

岩崎小彌太―三菱を育てた経営理念 (中公新書)

岩崎小彌太―三菱を育てた経営理念 (中公新書)

 

 

一応三菱財閥に関しては「明治末期に三井の次に財閥として形成され、住友や三井などと違って近世の前身なし、むしろ日本では財閥の概念は曖昧で三井三菱のような企業形態のことを主に指す」という大雑把な概要や、何冊かの単独通史を読んでいるのでだいたいのところは把握しているつもりなんですが、この新書はだいたい認識してた範囲通りの内容かなー、という気もするし、どちらかというと岩崎小彌太というこの三菱財閥の4代目はわりと外から見てわかりやすい人物だったのではないかなー、とも思わないでもないですね。
初代の彌太郎なんてのはまだ単独本読んでないんですが、成り上がりの分類なので多少なりとややこしい部分もあるんじゃないかなって気もするけど。
ただ、あくまでその「外から見た通り」というのは三菱財閥の通史をある程度なりと知ってる場合ですね、これが最初か、もしくは初代辺りの本しか読んでないと、あれ、三菱ってこんな財閥だったの、的な驚きがあるような気もします。
結構身奇麗というか塩せんべいは駄目、一定時期すぎると市場を守るために合併の禁止(三菱銀行の合併はありましたが、なんか三菱銀行って三菱の本流とは離れてるよね)なども言い渡され、小さな企業は圧迫しない、あくまでも巨大企業でないと出来ないであろう部分に特化しようとしたのだとか。
戦争反対、一旦始まったら国民として協力しないわけでもないけど負けんだよ!!
などなど、アメリカの合併相手の権益を日本政府から取り上げるように言われてもこっそりと温存してたなど、うん、極めて常道のことしてたんですが、イメージと違った。

アメリカに留学出るつもりだったけどイギリスだったのよ、金掛かったけど古典ギリシャ語までやって成績優秀だった、とか、結構根性の人ですね。むしろ完璧すぎたのかw