「刀と首取り-戦国合戦異説」鈴木真哉

刀と首取り―戦国合戦異説 (平凡社新書)

刀と首取り―戦国合戦異説 (平凡社新書)

 

 

居合いの経験者で業界人にも知り合いが多く、日本刀の絶対神話にうんざりしている、ということを加味して考えるとある程度納得が行く部分もあったものの、槍も弓も接近されると丸腰に近いだろう…、という素人が考えてもわかることが全く念頭にないらしく、刀を持っているのが謎、刀を持っているのが謎、刀をなぜか持っている、何故だ?! ということを延々と疑問視し続けた上で出した答えが「そうか、首取りだ!」みたいな展開でした、私は防御のために刀持っていたいですね槍も弓も守備の役に立つか?!
が、確かに切り込むのには刀じゃほとんど駄目だろ、と言われたら全く同感。
ただ、そんなことは一言注意して下されば正直現代人なら8割くらいは理解するので、どれだけ刀が使われなかったのか、ということで新書丸々1冊使われても。
あと槍で狭い場所で単独で刀の集団と戦えと言われたら私ならパニクって泣きます。
死ねって言われたようにしか思えないんですが、そういう状況下で槍を使わなかったなんてよっぽどの事情があったのではないか、と延々と訝しがってて正直怖かった。
槍もだけど弓も集団で、離れた位置だから強いんだろうよ…。
どちらかというと槍はあくまで集団戦法であって、特に技術が求められなかったこともあって農民などが多く担当していたという話も頭にあったので、いっそこの著者さんの言い分がちょっと不気味だったよ。刀万能論のほうがまだしも理解出来るよ。
(懐に飛び込めば刀の間合いだしなぁ、だから歪んだってことなんだろうけど。)

とはいえ、面白くなかったかというと資料は筋が良く、鎧に関してや刀の破損に関して、要するに人から聞いたような話をそのままという部分は概ね良かったと思います。
なんかこう、あんまりふんわりしてるから心配でいろいろ教わってたんと違うか…。