「古城の風景(2 松平の城」宮城谷昌光

この巻では主に三河の周辺をうろうろというかぐるぐるしていたんですが、うーん、なんかほとんど資料というか逸話を引き出すきっかけになっているだけで、ほとんど城がどうのって感じではなかったんですが、読み終わって本をまとめようとして調べてみるといわゆるこの松平氏ってのが「徳川氏の前身」というのが主な位置付け。
あー、そういや徳川家康(その時点ではその名前ではないですが)って出てきたな、と思い返すものの、なんというのかな、徳川がどうのって風情が全くない。
徳川宗家と三河の関係ってものが実際に特になかったんじゃないのかな、と捉えるのが妥当というような気もします。
正直、徳川家康にとって居心地がいいような気もしなかったしなぁw
前に織田信長の本を読んでいた時も、そもそも織田氏にしたところで今川氏という非常に巨大な家が頭の上に支えているので全く身動きが出来ない、というようなことが言われてましたし、この本の中に出てきた中でも特に一枚岩でもなさそうだった松平氏ってもっと弱い立場だったんじゃないかなぁ、と思うしかないな。

まあ、そんなに回りくどい認識の仕方しないでも、きちんと読むところを読めばすぐ出てくるんじゃないかと思うんですが、前の巻よりもはるかに情報が混乱し、親子って書いてあっても誰かわからず、城を譲渡したって言われてもいつのことか判明せず、そもそも家系図がきちんと作れないっていうこの薄さの経験は悪くはないかなぁ、と。
要するに徳川の御世になった時点でここの整理行われなかったってことなんだよね、この巻でも著者さんが信長か秀吉さんに足利時代のまとめしてれば!(だから難しいって) と言ってるんですが、徳川がやってれば同じ世代なんだから間に合うと思うんだ。