「中世人の経済感覚-「お買い物」からさぐる」本郷恵子

この本を読んだ理由はあれ、庶民と職人の関係に関してちょっとでも出てこないかなー、というようなことを考えてだったんですが、市場からしてすでに遠いし当時はまだ物々交換が主流だし(備前周辺の話で喧嘩の場に太刀が出てきたんだけど、正直この時代の庶民が買えるような気がしないのでひょっとしたら戦場かどっかから流れたんじゃないかね…)。
そもそも当時は宋銭を輸入しなければ貨幣もろくになかったよ、という体たらく。
ううん、庶民が主体的に芸能と関わる、となるともうちょっと後なのかなぁ。
ただあれ、商人が官位を手に入れることによって、取調べの対象外になってたり、でも出仕した時点での地位が低かったり、とかいろんなパターンがあるのね。
というより、金銭があってもなくても、その支出先が祭事における市場、寺と官位、というところに限られていたような、しかし官位ってそこまで庶民の手に出るものでもなさそうだよね、えらいこと価格下がってますが特にそれでメリットなさそうだしなぁ。
正直、この時代の官位ってのが一体なんなのかがよくわからない、お給料が出るとも思えないほどのざるっぷり、だってその場で適当に官位の捏造って、そのあとどうすんだよ、としか言い様がないんだけどそれで大してバレないんだよねww
(もともとある程度の地位がある人だからこそって感じではあったけども、仕事があったり給料が発生したらそこで誤魔化せた気がしないんだ。)
(というかその後、きちんと官位に付くことになってるんだけど、ちゃんとしろよ!?)

官位のあまりにも度重なる値崩れに耐えかねて、とうとう寺と結び付いて寄進&官位、という手段を作り出した! みたいなエポックとして語られていたんですが、これもこれでこの時点ではいいけど、あとでなんか駄目な方向に行きそうだよなぁ、面白かったけど。