「福沢山脈(下」小島直記

 

えっと、もともと森村財閥ってところと福沢諭吉との関係を読みたいな、という理由で(この本の中だとアメリカのイースタンカレッジ出身者ってのがそのつながりですね、福沢さんが送り込んであちらで森村系の人たちが世話をしてたみたいで)、この本などにも手を出したもので、わあ、かけらの単語しか載ってない?! ということで、ちょっと残念だったんですが、まあほら、福沢人材が分厚いってことで納得しておこうと思います。
横浜正金銀行も知りたかったのでこの辺は良かったんですけどねー、貿易商会ってのがその対として作られたものの、政府の言うことを存分に聞かなかったら銀行からの資金の引き出しを禁止されて無理やり借金を押し付けられ、それを被ったのが朝吹英二さん、というところも酷いのですが、その彼に徹底的に集った「憲政の神様」二人組がもはやなにが偉いのかが本の中でさっぱり説明されていなくてわからない…。
ただまあ、なんの責任もない朝吹さんに怒鳴り散らし、家の中の物まで持ち出すというエピソードがある彼らの功績をいちいち語るのもなんだかな、というのもわからないでもありません、うん、他所で読もう多分出てくる。
まあ、それと比べたら福沢諭吉氏の甥である中上川さんの三井改革がなかなか進まなかったって部分はまだしもかなぁ。ていうか、富岡製糸場の美貌による給料体系ってなんだよそんなことしてるから売り払われる結果になったんじゃないのww

うーん、まあ、三菱、三井、大隈重信辺りが慶応義塾以外の人物で結構特筆されていた感じかなぁ。あくまでも産業界からの視点、人柄寄りのエピソードに限られてるようで、最近たまにある専門分野からの歴史語りって感じとはちょっと系統が違うのかも。
ある意味で、当時の噂話を聞くみたいなスタイルですね、まあ全体把握するにはいいや。