「鹿鳴館」岩波ブックレット 日本近代史2、飛鳥井雅道

鹿鳴館 (岩波ブックレット―シリーズ「日本近代史」)

鹿鳴館 (岩波ブックレット―シリーズ「日本近代史」)

 

 

そういえばこの前に読んでいた中では鹿鳴館はそれそのものが「文明開化」の象徴として語られていて、例えば鹿鳴館のあった頃には洋装になっていた女学校の制服が、鹿鳴館の閉鎖と共に制服が和装に戻ってしまった、という経緯に触れられていて正直なところそのニュアンスがよくわからなかったんですが(外交やそれこそ晩餐会に使うだけの建物だって認識してたしなおさらねー)。
この本を読んでいてこの鹿鳴館が近代化、西洋化の手本となるべく作られた存在なのだ、と言われていてやっと納得。そうか、ここで男女平等などが始めてうたわれたのか。
ただ正直、武家に育てられたも同然の明治天皇にはそのことが酷く勘に障ったらしく、かなり繰り返しそれに逆らおうとしていたことが記録に残っているそうです。まあ…。

この当時猿真似のダンスと笑われたというのもわからない話でもないんですが、現代アラビア諸国よりも「女性の地位」が低いという評価があるという現状を考えてしまうと、この時代に恥を掻いておいたほうがまだしもだったんじゃないかなぁ、と思わずにはいられないですね、社交ダンスも結局、女を立てないと始まらないって言うし。
ただ、夜会の様子とかそういうのは笑われるのも仕方ない程度にはいまいちではありましたw まあぶっつけ本番みたいな感じだったんだし、アクシデントの連続だったってのも仕方なかったのかなぁ。
鹿鳴館を政治動向によって、その後の閉鎖を大隈重信の失脚によって語っているというちょっと珍しい内容だったのではないかと思うのですが、近代史のどこの部分に嵌めればいいのかはわりとわかりやすかったです。
そしてさらに語り始めが明治4年の岩倉具視使節団、条約改定失敗の反省だって!