「大井川鐵道井川線」RM LIBRARY-96、白井昭

大井川鐵道井川線 (RM LIBRARY 96)

大井川鐵道井川線 (RM LIBRARY 96)

 

 

大井川鐵道の時点で結構経営に苦労している私鉄で、現在生き延びているのは復刻SLのおかげというイメージがある方も少なくないんじゃないかなと思うんですが、「SLの動態保存のために存在している」とご当人たちが言い切られているらしいので、あれですね、正直そこまで行くとなんか潔くて嫌いじゃないね!!
(あんまり復刻SL好きじゃなかったんですが、意見変えたよ! マジすんません。)
で、さらにその中でダムを作るために作られたナローゲージ井川線というのは、ダムが作られた時点で道路に転換したらどうだろう、というのはもっともだと思うんですが、なんでもそこの土地はこの井川線が作られるまで完全に孤立していたそうで、そこに来た森林鉄道が初めての外界とのつながりだったそうなので、まあ愛着もあるよなぁ。
実際のところ、この井川線にも観光需要があるらしく、これ単体で稼ぎ出すわけではないみたいなんですが、全体の営業利益を押し上げる役目をしているんじゃなかったっけ。

ナローゲージというのは軽便鉄道の基準だった726mmとして呼ばれることが多いんですが、現在は非常に少数派なので、電気機関車やらアプト式やらやるのもほとんど独自で用意しなくてはならないはずだし、単独だと難しいよねぇどうしても。
アプト式はそれこそ中山道の最大難所とも言われてた碓氷峠信越本線のところにしか経験がなかったので、実現するのにスイスに頼ったとか、それでもメンテナンスを考えて国産に拘ったとか、もうほとんど一から立ち上げるしかなかったろうなぁ…。
個人的にはここまで来ると国の予算で手を入れてくれていいような気もするんですけどね、ていうか、そこまで重荷になってない時点でほとんど奇跡じゃなかろうか。大井川鐵道ともども頑張って欲しいよなぁ、しかしあんまり軌間細く見えないよね。